不動産売却は、大きなお金が動くこと、また業者と売り主の間に大きな情報格差がある取引であることから、なかには売り主をだまして利益を得ようとする悪質な不動産会社も存在しています。
国土交通省によると、令和2年度の住宅に関する相談件数は33,069件、うち11,158件がトラブルに発展しています。
そこで重要なのが、怪しい不動産会社の特徴や手口を知っておくことです。
今回は、トラブルを避けるための悪徳不動産会社の手口と見極め方をご紹介します。
悪徳不動産会社がよくやる手口
1)強引に取引を進める
強引に取引を進めようとする不動産会社は悪質な可能性が高いです。
面談時に長時間の拘束をしたり、断った後でもしつこく何度も電話をかけてきたり、ひどいケースでは深夜に訪問してくることもあるようです。
強引さにストレスを感じ、そのストレスから解放されるために契約してしまう売り主もいます。
一般的な不動産会社は、売主の気持ちに寄り添って取引を進めます。
売り主が不安に感じないよう丁寧な説明を心がける業者がほとんどです。
強引に取引を進める業者には、十分注意しましょう。
2)口頭で決めたことを書面化してくれない
売却する不動産の状態や、残していく荷物の扱いなど、不動産売却に関して口頭で決めたことを書面化してくれない場合、要注意です。
たとえば、口約束で売買契約書を訂正してもらい、「修正後の契約書です」と渡されたものを見てみると、実は訂正されていなかったという手口もあり得ます。
何らかの形で合意した内容は、書面に残してもらいましょう。
3)査定価格が相場から離れている
もし、はじめの査定価格が他の業者の査定価格よりも明らかに高い場合は注意が必要です。
通常、不動産は地域の相場で取引されるため、よほどの事情がない限り、査定価格は同じ地域にある似たような条件の不動産と同じ価格帯になります。
しかし悪質業者は、媒介契約を結びたいためだけに、実際には売却するのが難しい高額な査定価格を提示します。
また、その価格で売れないことを理由に自社の買取りにつなげるためでもあります。
査定結果に疑問を感じたら、査定の根拠を確認しましょう。
業者側の説明に納得できない場合は、契約を避けた方が安全です。
悪質な不動産業者を見極める方法
・クチコミをチェックする
不動産買取業者を見極めるには、業者の名前でクチコミ情報をチェックするのがおすすめです。
特に、営業年数や実績、営業マンの態度を重点的に確認しましょう。
良質な不動産会社は、地域密着で長年営業を続け実績があるところが多いです。
・電話相談をする
良いことしか言わない・説明しない業者は、すぐに依頼させようとする業者は注意しましょう。
何度でも相談に乗ってくれて、不利な話もきちんとしてくれる業者の方が信頼できます。本当に売却後の生活まで考えてくれている業者かも確認しましょう。電話やメールで相談する時のレスポンスの早さも重要です。
・複数社に査定を依頼する
複数の業者に査定を依頼しそれぞれの査定額を比べることで、適切な売り出し価格の参考にすることができます。
一般的な業者であれば、売り主が複数社に査定依頼を行うことを承知していますし、相場通りの査定であれば査定結果に大きな差は出ないため、他社への査定依頼を嫌がることはありません。
まとめ
業者と売り主との間に大きな情報格差のある取引であることや、大きなお金が動くことから、不動産売買にはさまざまな詐欺の被害が発生しています。
だからこそ、明らかに良くない業者との契約を避けるために、その手口や見極め方を知っておく必要があります。
悪徳業者は、他社との比較を嫌がり、強引に取引を進めようとしてくる傾向があるため、不動産を売却するときは複数の業者に査定を依頼しましょう。
業者の態度や査定結果、査定の根拠などを比べるのが、最も手軽な悪徳業者対策です。
売却を依頼した業者の対応に少しでも違和感を持ったら、速やかにしかるべき機関に相談するのをおすすめします。